愚かな人間
人間とはなんと愚かな存在か。
その人間の中にはもちろんボクも含まれているのだが、人によって愚かな部分は異なる。
ボクは意志が弱くて流されやすい愚かな人間だ。やめようと思っていたことがやめられなかったり、続けようと思っていたことが続かなかったり。まあ、そういう意味ではダメ人間の部類に入ってくる愚か者なのである。
しかしそんな愚か者でも大切にしていることもある。高校生から始めたサーフィンは今ではすっかり生活の一部となり、人間関係や仕事ですらサーフィンが軸になってボクの人生を形成してくれている。サーフィンこそ我が人生、と言っても言い過ぎではない歩みを続けてきているのだ。
サーフィンが生み出す発展
サーフィンをするためには海が自然のままの姿で残っていてくれなくてはならない。最近ではクオリティの高いウェーブプールの出現が話題を呼んでいるが、それでもやはりサーフィンは海でやるものというのがボクの基本的スタンスだ。
波がある場所には人が集まり、人が集まることで経済が動く。そういう場所が世界中にある。
日本でも湘南や千葉といった都心に近くて波のある場所に人が集まりサーフタウンになっていったという歴史がある。ボクが暮らしているバリ島はまさに典型的なサーフアイランドと言えるだろう。もしこの島に波がなかったとしたら今のような姿にはなっていないと断言できる。素晴らしい波が世界中から人を呼び、そのことで経済が活性化し、良くも悪くも今のバリ島になっているのだ。
迫りくる消滅の危機
そんなバリ島の代表的なサーフスポット『エアポートリーフ』に危機が迫っている。滑走路の両サイドにエアポートライト、レフトのポイントがあるのだが、その滑走路を沖に伸ばす工事がとうとう始まってしまったのだ。これまでに何度か抗議をしてきたのだが、受け入れられずに着工となってしまった。
滑走路が伸びることでカレントは変わり、スウェルも入りづらくなってしまうだろう。これまでのようにコンスタントに波がブレイクしなくなってしまうことだって考えられるのだ。
バリ島の経済を語る上で最も守るべき資産は『波』や『海』であるはずだ。美しい海と素晴らしい波が今のバリ島を作ったのだ。バリ島の海が汚れて、波もなくなってしまったら誰がこの島を訪れるだろう。経済的なダメージは深刻なものになるだろう。
そんなことはちょっと頭を動かせばわかるはずなのに、どうして経済のために波を壊すようなことをしてしまうのだろうか。
やはり人間とは愚かな生き物なのか。
有本圭
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