星に願いを

仕事から帰ってくる。

重たい身体を引きづりながら玄関に手をかけようとすると何やら見慣れない黄色い紙が風に揺れていた。

ん? なんだ?

よく見ると下手くそな字で何やら書かれている。

『ままとおとうが まいにちげんきになってほしいです』

ん? どういうことだ??

明らかに娘バリ子の手によるものだ。

『まま』ことド天然嫁と『おとう』ことボクに元気がないってことなのか?

励まし? 嘆き? それともカナシミ?

釈然としない思いのまま玄関を開け、ふたりが寝静まっている我が家のソファに腰を沈めて深いため息をついた。

 

最近元気がなかったのだろうか。

そういえばここ最近は早朝から深夜まで家を空けることが多かった。もしかすると元気な姿を見せていなかったのかもしれない。こりゃ反省だな。

いや、しかし待て。

ド天然嫁はいつもと変わらずにバリ子と接していたはずだ。

一体どういうことだ。

妻に異変でもあったのか。

思いを巡らせてみるが思い当たるフシがない。

 

シャワーを浴び、いつものように日記帳を開く。

7月7日。

・・・

ああ、そういうことか。

七夕か。

娘が短冊に願い事をしていたのだ。

鈍いボクはようやく気づいた。

言い訳がましいが、季節感のないバリ島では今日が7月であるという意識さえも希薄になってしまっている。

 

『ママとオトーがいつまでも元気でいてくれますように」と星に願いを込めてくれたんだな。

ほっこりと心が温まり、1日の疲れがいつのまにかどこかに消えてしまっていた。

 

ボクの願いは『キミが元気で幸せでいてくれること。そのためにもボクと妻が元気でいること』。

ここ最近では珍しく雲の少ないバリの夜空に願いを込めるのであった。

有本圭

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