また大切なサーフスポットが消えていこうとしている。
バリ島を代表するライトブレイク、チャングーライトが消滅の危機に直面しているのだ。
近年目覚ましい発展を遂げているチャングーエリアだが、あまりの開発の早さに少々戸惑ってしまう。
訪れるたびに姿を変える街並みに一瞬自分がどこにいるのかわからなくなってしまうようなことも度々あった。
時代の流れといえばそれまでなのだが、少しの寂しさを感じてしまうのはボクだけだろうか。
もともとチャングーには素晴らしい波があり、その波を求めてサーファーたちが世界中から集まり、そして街になっていった。
つい数年前まではのどかな田園風景とバリニーズたちの暮らしがあっただけのこの場所にいつしか感度の高い外国人が集まるようになり徐々にその姿を変えていった。
オシャレなカフェやオーガニックなレストランが軒を並べ、バリ島でも屈指の観光スポットへと変貌を遂げた。バリのカルチャーと世界の最先端をいく感性がミックスされて世界でも類を見ない街並みを形成していった。
ミックスカルチャーが根付く素晴らしい街になるのではないかとボクも期待を寄せていた。
波が人を呼び、人が人を呼び、人が店を呼び、店が店を呼び、そして街になった。
しかし街はさらに人を呼び、そのうち無知な商売人まで引き寄せた。
素晴らしい波がこの場所に人を呼んだことを忘れてしまった金の亡者が最も大切な資源であるチャングーの波を壊そうとしている。そんなことをしてしまったら全てが崩壊に向かってしまうことを考えもせずに。
これまでも世界中でたくさんの貴重なサーフスポットが人間のエゴと金儲けのために消えていった。
チャングーライトの目の前にはまた新たなビーチクラブができるという。このままいくとバリのビーチ沿いはビーチクラブで覆い尽くされてしまうのではないだろうか。そんないきすぎた心配までしてしまう。
夜な夜な爆音を響かせて乱痴気騒ぎを繰り返すビーチクラブにバリ島を代表するサーフスポットが潰されてしまうと思うと悔しくてたまらない。
せめて波を残す方向でしっかりと計画を立てて進めてもらいたいものだ。
有本圭
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