レバランの遠い記憶

バリ島の属するインドネシアではイスラム教徒のラマダンという約1ヶ月にわたる断食が明け、レバランといわれる断食明け大祭に突入している。

実に国民の94%がイスラム教であるイスラム教大国インドネシアにおいて年に一度の祭典となる。

断食という苦しみから解放され、飲めや食えやの大騒ぎ。

普段からやや浮かれたところのあるインドネシア人がさらに陽気にはしゃいでいるように見える。

まあとにかくレバランとはヨロコビのお祭りなのである。

 

インドネシアにおいてのバリ島は日本でいうところの沖縄のような存在で、こういった国民的休みに入ると近隣の島々の人たちがこの島に大挙として押し寄せてくる。

毎年レバランに入るとバリ島は大渋滞に見舞われ、特にクタ周辺では交通パニックに陥ってしまう。

インドネシア人にとってクタビーチで夕日を眺めるというのが一種のステイタスになっているらしく、サンセットタイムになると何が何でもクタビーチという方針のヒトビトが方々から集まってくる。

別にお隣のスミニャックでもチャングーでもどこからでも夕日は見れまっせ、と思ってしまうのだが、彼らにとってはとにかくクタビーチの夕日がアリガタイのだとか。

外国人からすると「なんで?」とツッコミを入れたくなるのだが、まあ好きなようにクタビーチの夕日を眺めたらいい。気の済むまで眺めたらいい。

 

しかし困ったこともある。

クタビーチ人気一極集中主義の影響で午前中のうちから駐車場が満車御礼となってしまっていた。本日は娘バリ子とサーフィンをするためクタビーチを訪れたのだが、無情にも駐車場の門は固く閉ざされていたのだ。

「ええ〜、車停められないじゃん」

嘆きつつ駐車難民になりかけたのだが、奇跡的に路上駐車スペースが1台空いてくれ、タイミング良く駐車することができた。

車を停めるにも一苦労だ。

 

ラマダン明けのこの時期にクタに宿泊しているツーリストは悲劇的だ。

普段なら空港から20分ほどでクタの中心街までアクセスできるのだが、レバランに突入すると2時間以上かかるようなこともあるのだとか。

そういえばボクが初めてバリ島に降り立った約20年前のその日も空港からホテルまでの道のりでとんでもない渋滞に巻き込まれた記憶がある。

「歩いた方が早いじゃん」

と旅の仲間たちと苦笑いしていた。

ドライバーさんが「普段なら20分くらいで着くんですよ」とイライラしながら言っていた。

今から思えばあの日もきっとラマダン明けだったのかもしれない。

そうそう、クタビーチが連日いい波だったので乾季、つまりこの時期だったのは間違いない。

 

あの日、とんでもない渋滞を前に即座に「この島には住めないな」と思った記憶が鮮明に残っている。

その島にまさか自分が住むとは夢にも思っていなかった。

レバランの遠い記憶が蘇ってきたのだった。

有本圭

インスタグラムkeiarimotoではバリ島ライフをほぼ毎日アップしてます。こちらも是非フォローしてくださいね!

Saltwater magazineのインスタグラムも始めました。こちらもよろしくお願いいたします!!