郷に入ればテキトーになる?

ボクの知る限りではバリ島にやってくるサーファーのほとんどがリピーターだ。

しかも年に2回も3回もやってくるハードリピーターの方が多い。

いわゆるひとつの『ハマる』というやつなのだろう。

 

実をいうとボクはバリに移住する以前にこの島にハマっていたわけではなかった。

常夏だし、波は必ずあるし、人々も陽気だし、サイコーにいい場所だなとは思っていたが、ボクの旅のスタイルは同じ旅先をリピートするというよりはまだ見ぬ場所を求めて旅するというものだったのだ。

しかしバリで暮らすようになったことで同じ場所に足繁く通いながら人間関係を築き、その場所を深く知っていくというスタイルもアリなのだなと気づかされることになった。

 

バリで暮らし始めた当初はひたすらこの島の良いところがボクの中に入ってきていた。しかし6年の歳月が流れ、今では良いも悪いも含めてマルッとバリ島なのだと思っている。

バリはパラダイスですよ!みなさん来てくださーい!という旅行会社PR的スタンスでは決してないのだ。

実際にネガティヴな部分もある。

日本とは違ったキケンもある。

一向に進まない社会のシステムにイライラすることもある。

マナー面だとか人々の意識に顔色を失うこともある。

外国人という社会的に弱い身分にゲンナリすることもある。

しかしそれも含めてバリ島なのだ。

6年もビタッと生活していると色々なことがあるわけなのである。

 

それでもそういったややこしいアレヤコレヤを血肉化しつつもこの島で暮らし続けているというのはやはりバリ島なしでは生きていけない体になってしまっているからなのだろう。

誤解を恐れずに言ってしまうと、ある意味『テキトー』でなくては生きていけないこの島で生きる術がしっかりと身についてしまったようなのである。

この『テキトー』というのは案外これまでキチッと生きてきた日本人にとってはタイヘンな苦労が伴う。

たとえばこんなこと。

つい最近の出来事であるが我が書斎のエアコンが動かなくなってしまった。

これは常夏のバリでは一大事だ。

すかさず電気屋さんにコンタクトし、

「じゃあ明日の3時頃にご自宅に伺います」

ということになった。

当然のことながら日本人的発想からすると3時には家にいなくてはならないと考えるわけだ。

しかしこの島およびこの国では4時でも5時でもまあ行けばいいでしょ、というようなユルヤカーな感覚なのである。

こちらとしても来てさえくれればOKという心持ちになっている。

結果的にはその日には電気屋は姿を現わさず、土日を挟んだ翌月曜日にノホホンとやって来たはいいものの、その日は壊れたエアコンをささっと一目しただけで帰ってしまった。

実際に修理が行われたのは木曜日。

しかも部品が足りないということでまたもや週末を挟んで翌火曜日にようやくクーラー復活、という流れになったのだ。

バリ島6年選手のボクはといえば「直ってくれさえすればそれで御の字」というメロウもしくはテキトーな姿勢でこの一連の作業を眺めていた。

決してこれくらいのことではイライラしないテキトー体質に様変わりしてしまったのだ。

この島においては『郷に入ればテキトーになる』なのである。

 

バリ島は間違いなく素晴らしいところだ。

波のクオリティ、バリエーションは世界屈指だし、気候も穏やかだ。台風もなければ嵐もない。

どこまでも永遠に夏が続いていく。

助け合い、分け合いながら生きているバリの人々から学ぶことも多い。

普段からカチッとルールや常識に則って暮している日本の人たちがユルんだ休暇を過ごすにはこれ以上の島はないだろう。

 

最近妻とよく話すことがある。

「バリに旅行で来てみたいよね」

これは我々にとっては当面の間は叶わぬ夢なのである。

有本圭

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