ド天然嫁・バリ子とゆく家族旅 〜ビンギン編〜

4月になり娘バリ子の放課後のアクティビティが再編成された。

たいへん喜ばしいことに基本方針として土日の2日間が『空き』となってくれた。

これまでは土曜日の夕方まできっちりアフタースクールが入っていたので週末をゆっくり過ごすことができなかった。しかしこのたび土日が連休になってくれたことで家族とともに1泊2日の旅に出れる運びとなったのだ。

 

で、さっそく最初の連休が迫ってきた。

「どこに行く?」

旅はそこから始まるのだ。

地図を開いて行き先の見当をつける、なんていうのは1世代前の話。

すかさずスマフォのホテルサイトにアクセスし、予算内のホテルをリサーチする。

「バリ子が決めるのっ」

強固な姿勢でボクからスマフォを奪っていった。

夫婦協議の上、今回はバリ子が行き先およびホテルを決めるということで同意に至った。

まあバリ子の選択っていうのもアリか。普段なら敬遠するようなところを選んでオモシロ体験が出来る可能性もあるわけだから。それはそれで楽しいか。そんな結論に至ったのだ。

 

30分ほどスマフォとにらめっこしながらようやく「ここがいい!」と画面をボクに向けた。

近い近い。老眼だから近くがよう見えん。

画面を離して見てみると場所はビンギンビーチ。

おおお、新しい。

一泊7000円。

いいライン。

海が一望できる。

いいじゃないか!

よしそこにしよう!と即座になったのだった。

 

そして週末がやってきた。

グーグルマップを頼りながらジワジワと宿に近づいていった。

「目的地へ着きました。お疲れ様でした」と機械的な声で到着を知らせた。

が、どこ?

目的のホテルは見当たらない。

んー、のっけから困ったぞ。

周囲を見渡し、最初に目が合ったおじさんにホテル名を告げて場所を尋ねてみた。

「ああ、それならそこの階段から降りていくんだよ。崖の下だよ」

というような事をいかにものんびりそうに言った。

ええ? 崖の下??

じゃあ車はどうすんの?

「ああ、あっちに行くと駐車場があるからそこに停めるといいよ」

と指をさして教えてくれた。

おじさんに礼をいい、駐車場を探すもホテルへ通ずる階段からは1kmほど離れてしまっていた。

炎天下のもと、サーフボードを含む大量の荷物を運搬しなくてはならないではないか。

しかしまあそれも楽しもうぜ、とやや強引にポジティブ姿勢を立て直し、「よーし、いくぞ!」とピクニック気分でホテルを目指したのだった。

 

なかなかきつい崖階段に苦しみつつも20分ほどかけてホテルに辿りついた。

いや、ホテルと言うよりはゲストハウスといった方が正しいだろう。

崖を降りてきたわけだから全身汗びしょだ。

アクセスが非常に悪い分、ロケーションは素晴らしかった。

崖にへばりつくように建てられたそのゲストハウスからはインポッシブルポイントとビンギンポイントが一望できた。

宿の目の前からパドルアウトできるのでサーファーにとっては嬉しい好立地だ。

 

今回お世話になったThe Inn possibleは崖階段が相当にきつく一度チェックインしたら最後、チェックアウトまでは決して登りたくなくなる。

となると必然的にゲストハウスかビーチで時間を過ごすしかなくなる。

「ちょっとさっき見かけたカフェに行ってみよ」とはならないのだ。

ボクはサーフィンをし、ド天然嫁とバリ子はビーチで貝やビーチグラスを拾って過ごした。

夕暮れ時のゲストハウスから望む夕日が素晴らしく、ボクはビンタンビールを、彼女たちはフレッシュジュースを飲みつつ、「きれいだね〜」なんて言い合いながらゆっくりと陽が水平線に落ちていくのを眺めた。

 

予定など何もない旅こそボクにとっての理想の旅の形である。

旅はできるだけシンプルな方がいい。

忙しい旅なんてごめんなのである。

バリ子の意外なチョイスによってゲストハウスに閉じ込められるハメになったが、それがかえってゆったりとした時間を演出してくれた。

冷房も温水もない宿だったけど、そこには海の息吹を感じられるゆったりと流れる静かな時間があった。

グッチョイス! と言いつつバリ子の頭にそっと撫でるのであった。

 

有本圭

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