サーファーとしてのあり方

バリ島で暮らす外国人の数は年々増加の一途をたどっているらしい。

インフラの整備やインターナショナルスクールの充実などが外国人バリ移住に拍車をかけているようだ。

物価こそ年々上昇しているが、それでもやはり先進諸国のそれと比べるとまだまだ『暮らしやすい』レベルである。

気候も穏やかだし一年中波はコンスタントだ。

サーファーが暮らしていくには理想的な環境と言えるだろう。

 

本日はチャングー方面に行ってきたわけだが、そこで暮らす白人サーファーのジェントルな行動に思わず内心拍手を送るような出来事に遭遇した。

ボクがチャングーの海にパドルアウトしたのは午後のロータイドに向けて一気にスウェルが入り始めた時間帯だった。

セットでアタマオーバーとサイズは十分だったがサイドからの横風が少々邪魔だった。横に流れるカレントが発生しておりポジションをキープするには絶えずパドルをしなければならない状況だった。

ピークには数名のサーファーがおり、各々がポジションをキープしながらセットの波を待っていた。

セットが途切れてしばらく波がこなくなり、なんとなく緊張感が緩んだとき、ピークにいたあるひとりのサーファーが「あいつ、漁師なのか?」と指をさした。

指の方向に目を向けみると波が決してブレイクしないチャンネルでいかにもビギナー的パドルをするサーファーの姿があった。それを揶揄して『漁師』という表現したのだろう。

そんなツッコミに周囲のサーファー達から冷笑が起きていた。

「あんなところにいたって波には乗れないぜ」

そんなニュアンスの笑いだった。

 

そんなことがありつつも再びセットが入り始めるとサーファーたちの意識は一気に波に集まる。ボクは何本目かの波を捉えインサイドまで乗り切り、沖のピークに戻ろうとパドルし始めた。

するとボクより少し前に波を捕まえていた一人の初老のサーファーが『漁師』と呼ばれたまだ若い白人サーファーに何やら話をしている姿が目に入ってきた。

彼らはボクがちょうどパドルバックする中間地点にいたため、何となく耳をそばだてた。

何を話しているんだろう。

すると初老の白人サーファーが「いいか、波に乗りたいんだったらどこで波がブレイクしているか見なくちゃだめなんだ。ほら、あそこの波を見てみな」というようなことを身振り手振りを交えながらその若者にレクチャーしているではないか。

バカにして笑うのではなく、ちゃんと教えてあげる。

んー、この態度、見習うべきだ。

即座にそう思った。

 

ピークに戻ってきたその初老のサーファーに話しかけてみるとチャングー在住のオーストラリア人だった。

「だってあんなところにビギナーが一人でいたら危ないだろ。カレントに持っていかれたら大変だしね」と軽くウィンクした。

アドバイスをもらっていた若者の表情も柔らかいものだったのできっと丁寧に教えていたのだろうと容易に想像がついた。

カッコいいぞ。

このオヤジ。

ボクもギコチなく不慣れなウィンクを返した。

海でちょっとおかしな行動をとるビギナーサーファーがいたら無関係を決めこむのではなく、積極的にアドバイスを送るようにすべきだなあと改めて思ったのだった。

 

有本圭

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