大波に挑んだミュージシャンの死

今年に入り一番のスウェルがヒットしているバリ島。

スウェルに合わせるようにサーフィンに気持ちがフォーカスし始めているボクだが、やはりここ数年ダラけたファンサーフィンライフを送っていたツケがまわり、ダブルオーバーの波ともなると足腰の踏ん張りがきかなかった。

レールをうまく押し込めずに波のパワーにはじき返されて無様なワイプアウト、なんていう小恥ずかしいサーフィンを露呈してしまっていた。

なんとも寂しい限りであるが、これが今のボクなのである。

 

そんな中、バリ島屈指のビッグウェーブスポット『ウルワツ』にも10〜15fの大波が押し寄せていた。

オーストラリア出身のサーファーでミュージシャンのジョー・ヘイドンもこの特別な日にウルワツのラインナップにいたそうだ。

彼は写真にある通りビッグウェーブを恐れないエキスパートサーファーだった。しかし時として偉大なる海はそんな経験豊富なサーファーの命ですら簡単に奪っていってしまう。

その日最大級のセットの波に飲み込まれたジョーは意識を失ってしまった。そのことに気がついた数人のサーファーが彼を助け出そうと試みるも、ウルワツの崖の前でブレイクしたインサイドの6〜8fの大波にサーフボードごとさらわれてしまったという。

無残に傷ついた彼のサーフボードは浜辺に上がったが、彼の姿はそこにはなかった。

その日の夕方、お隣のパダンパダンビーチに変わり果てた彼の身体が打ち上がった。そこにはもう彼の魂は存在していなかったというのだ。

 

事故の起きた前日にウルワツ周辺でサーフィンをしたが、ダブルからトリプル近いセットが徐々に間隔を狭めながら炸裂していた。恐ろしいほどのパワーを有した大波は人間の体などいとも簡単に飲み込んでしまう。

偉大なる自然のエネルギーの前において、人間の存在などいかにちっぽけなものか。

ビーグウェーブの懐に入った者にしかわからない自然との調和や快感、達成感、そして大いなる恐怖。

このような事故はサーフィンに命を賭けた者にとっては誰にでも起こりうる事故だ。恐怖心に打ち勝ち、大波に挑み続けたサーファーとしての彼のチャージは賞賛されるべきだ。

ボクはいちサーファーとしてそんなことを思った。

Rest in peace…

有本圭

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