理想の未来

3ヶ月ぶりに家族フルメンバーがバリ島に集結した。集結したといっても3人なのだが。しかしまあせっかくなので最初の週末に1泊2日の小旅行をしようということになった。

ボクとしては常に海周辺にいるわけなので山方面への旅行を希望したのだが、ド天然嫁がビンギンビーチに行ってみたいと言い出したので彼女の希望を叶えることにした。

ビンギンといえばバリ島でも屈指のレフトバレルがブレイクするクラシカルなサーフスポットだ。なんでまたビンギンになのか謎が深まる。もしやバレルにチャージしたいのか? んなわけはないか。

 

どうせなので波予報を調べてみるとちょうどスウェルが入ってくるタイミングと重なっていた。

んー、ある意味ラッキー。

ファミリートリップでサーフィンをする気などさらさらなかったのだがビンギンでなおかつスウェルがアップするという流れにより『家族とゆく週末のサーフトリップ』という様相を呈してきたのだ。

 

宿にチェックインすると左側にインポッシブルポイント、右側にビンギンポイントのブレイクが眼下に広がっていた。

「おお〜、いい波だね〜」などとコーフンを抑えられないボクに、

「いいよ、サーフィンしてきなよ」

とド天然嫁がド天然らしからぬ助け舟を出してくれた。

娘バリ子は「ずるーい。バリ子もサーフィンしたーい」と泣きべそをかいたが、子供がサーフィン出来るようなコンディションではなかった。

「じゃあ後で一緒に泳ごうね」となだめつつサーフボードにワックスをかけた。

 

どっちにしようかな?

ビンギンは波が良さそうだったがポイントパニック気味。

インポッシブルはその名の通りメイクするのは『不可能』なダンパー気味のブレイクだったが、サーファーの姿は3〜4人といったところ。

「空いてる方がいいでしょ〜」と即座になり、インポッシブルへパドルアウトすることにした。

波はパワフルな超高速レフト。

テイクオフのポジションを間違えると1アクションすらできない。

しかしいいところから乗ることができれば壁のようなショルダーが規則正しく伸びていった。

タナボタ的にグーフィーのスリリングな波を堪能することができたのだ。

 

サーフィンに熱中するあまり、潮が引ききってしまった。おかげでリーフの上を素足で帰らなくてはならなくなってしまった。どうやらウニはいなさそうだったが、それでもリーフの上を300mほど歩かされるのはなかなかのストレスだった。

疲労困憊でビーチに辿りつくと「オトー、大丈夫だった?」と女の子の元気な声が耳に届いた。

ド天然嫁が日本にいる間はバリ子をビーチにおいてサーフィンすることすら遠い夢であった。

ああ、こんなことですらド天然嫁のおかげだ。

当たり前などではないかけがいのない大切な時間に感謝の気持ちが溢れた。

 

サーフィンから戻るとふたりがボクにアレヤコレヤとまとわりついてくる。

ウットウしい。

けどやっぱり嬉しい。

そのうちバリ子が本物のサーファーへと成長し、こんな風にして家族でサーフトリップに出かけられるようになったらどんなに幸せだろう。

なんだかボクが望んでいる理想的な家族の未来を垣間見ることができたような気がしたのだった。

有本圭

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