最強サポーターが! またもや『ただし』?

 

「基本的にはですね、Saltwater magazineは広告に頼らないメディアにしていきたいわけですよ。基本的には」

テルは同級生ではあるが、いざ仕事のこととなると敬語が口をつく。

 

彼が属するST-World(旅行代理店)とは長い付き合いになる。

ボクがプロロングボーダーとしてJPSA(日本プロサーフィン連盟)のツアーを転戦するようになった頃にスポンサーとしてサポートしてもらうようになったのがきっかけだ。

ちょうどその頃、ST-Worldでサーフトリップ専門部署を立ち上げるプロジェクトが立ち上がり、その一端を担わせてもらうことになったのだ。

 

2001年の頃だったか。

その頃にST-Worldに中途採用されたのがテルだった。

彼との出会いはバリ島だった。

今となってはそれもなんだか運命的に思えてくる。

彼が入社前に研修としてバリ島にやってきた時にボクはたまたま何かの取材でバリ島に滞在していたのだ。

「こちらうちの会社でサポートしているプロサーファーのアリモトケイさん」

「こちらがこのたび入社することになったテル」

そんな風に紹介され、なんとなくボクは先輩風を吹かせてつつ「よろしく」と右手を差し出した。

そして彼は「よろしくお願いいたします」と後輩然とした態度をとった。

今となってはその立場は完全に逆転し、「なんとかお願いしますよ〜」とボクが上目遣いで彼にお願いする機会が圧倒的に増えてしまった。

あれから年月が過ぎ、彼は社内で着実に出世してそれなりにエラい人になってしまったのだ。

一方ボクはといえば『好きなことばかりやっているアンちゃん』から『好きなことばかりやっているオッサン』に変わっただけで、本質的には何も変わっていない。

というか成長していないのか。

世間的なポジションは彼の方が断然上という悲しき状況になっているのだ。

 

「けいくんがSaltwater magazineやるんだったらウチでサポートするよ」

つい先刻「広告には頼らない」なんてエラソーにほざいてしまっていたが、「基本的に」を強調していたので「マジで!」とひるまずに右手を差し出した。

「助かるわ〜、何かと。たくさん旅にも出ようと思っているし」

「ただし」

「え? ただし?」

またもや『ただし』。

「ただし、バリ島に一人でも多くのサーファーが興味を持つようなコンテンツを提供すること」

やはりこういうことには条件がついてくる。

そういった条件がイヤなので基本的には広告を取らないという方針だった。

しかしバリ島に興味を持ってもらうためのコンテンツということだったらむしろ大歓迎だ。

というか、言われなくてもそういったものを発信していこうと思っていたわけなので何の問題もないのだ。

 

というわけでST-Worldが強力なサポーターとして名を連ねてくれることになった。

「おーっし、アチコチ旅するぞー」と小さく拳を握った。

有本圭

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